人にも一人に一つずつ命があって
猫にも一匹に一つずつ命がある
どれも尊い命
私が猫に出会ったのは
今から16年前の1月
掌サイズの動めく黒い毛の塊が二つ
そこから私の人生を変えてしまう程の
愛しい命たち
そのうちの一つは
6年前に天に駆け登ってしまった
残ったもう一つの命は
今を懸命に生きている
足腰が弱り、ご飯を食べるのにも踏ん張りが必要になった
黒い毛に沢山の白い毛が混じり
最盛期に6Kgあった体重は
紙のように軽くなってしまった
身体は本当に薄くなり
水を飲んでも口を閉じるのに二三度咀嚼する
そして、舌が上手く仕舞えない時もある
それでも私を見上げる目は
昔と同じだ
真っ直ぐな、突き刺すような視線を投げてくる
忙しい事を理由にしてサボりまくってしまって
悲惨な状況になっていた猫部屋を
本腰入れて掃除をした
ご飯を粒の小さいものに変えた
「老い」が顕著になって来た命に
私があとしてやれる事はなんだろう
たぶん私と栗之助に残された時間は
もうそんなに長くはないだろう
そう遠くない未来に栗之助は桃太郎の元に旅立つんだと思う
泣いている暇なんかない
でも、来るべき日を思うと胸が切り裂かれる思いで…
老いを看取るのも飼い主の責任。
がんばらなくちゃね。
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